フランチャイズでカフェを開業する場合には、フランチャイズへの加盟金や保証金、研修費、店舗建築費などがかかります。以下で詳しく見ていきましょう。
まず必要なのが、フランチャイズへの加盟金です。加盟金は、各フランチャイズ本部が蓄積したノウハウやブランドを使用するための登録料のようなもの。本部が行う事前調査の費用が含まれる場合もあります。
毎月支払うロイヤリティとは異なり、加盟時に一度だけ支払います。金額は本部によって異なりますが、150~300万円程度が相場のようです。
中には加盟金が0円など、初期費用を大きく抑えて加盟できるフランチャイズもありますが、その場合は、仕入価格やロイヤリティが高く設定されている可能性があるため注意しましょう。
保証金も、フランチャイズに加盟する際に支払います。これは、店舗からのロイヤリティ等の支払いが滞った際に備えて本部に預けておくお金のこと。中には、「食材保証金」として食材の仕入れに対する保証金を設定しているフランチャイズもあるようです。
加盟金と同様、加盟時に一度だけ支払いますが、契約解除時には原則全額返金されます。相場は100〜150万円程です。
開業費用のなかでも金額が大きいのが店舗建築費です。
一から店舗を作る場合と、居抜き物件を利用する場合とで費用は大きく異なり、一から整える場合は2000~3,000万円ほどかかるようです。
居抜き物件の場合なら500万円ほどですが、それでも、調理器具やコーヒーメーカーなど最低限必要なものを揃えると、1,000万円以上はかかります。食器や家具などにこだわれば、さらに費用が増えるでしょう。
フランチャイズによって、本部があらかじめ店舗を用意してくれる場合や、本部が費用を負担してくれる場合などさまざまです。より安く設備機器を仕入れられたり、リースできたりする場合もあります。
ただし、店舗デザインなどは本部によって決められているケースが一般的で、自由度はあまり高くありません。
研修費は、お店を経営するためのノウハウを学ぶ費用です。
多くの本部が開業前にオーナー向けやスタッフ向けに研修を用意しており、販売するメニューの調理方法やレシピ、接客サービスや店舗経営などについて指導してくれます。
研修期間は一般的に2週間〜2ヶ月ほど。中には、試験などがあり、合格しないとオープンできない本部もあるようです。
費用相場は交通費、宿泊代込みで50万円前後です。
カフェを開業するにあたっては、「食品衛生責任者」と「防火管理責任者」の資格を取得しなくてはなりません。それぞれ講習の受験料に1万円ほどかかります。
ちなみに、調理師免許は必ずしも取得する必要はありません。
フランチャイズ本部によっては、他にも本部のシステム利用料や、お店を宣伝するための広告費を加盟時に支払う場合があります。
また、店舗を運営するためのスタッフ採用費なども考慮する必要があるでしょう。
カフェをオープンした後も、人件費や店舗の賃貸料、材料費やロイヤリティなどさまざまな費用がかかります。特に注意したいのがロイヤリティです。
ロイヤリティとは、フランチャイズ本部に支払う、ブランドやノウハウなどの利用料のこと。金額はフランチャイズ本部によって異なりますが、売上の2〜3%が相場のようです。本部によっては、月額いくら、といったように、毎月決まった額を支払うところもあります。
ロイヤリティは、どんなに少なくても毎月支払わなくてはなりません。このため、事前にしっかり金額を確認して、事業計画を立てることが大切です。
フランチャイズに加盟してカフェを開業する場合、加盟金や保証金、物件取得費や店舗建築費、研修費や広告費などさまざまな費用がかかります。
費用はフランチャイズ本部の方針などによっても大きく異なるため、条件をよく確認し、開業資金だけでなく運営資金などもよく考えて選ぶようにしましょう。
加盟金 | 150万円~(税不明) |
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保証金 | 150万円~(税不明) |
店舗数 | 404店舗 (※2ブランド合算数) |
加盟金 | チェーン加盟金:150万円(税別) 出店準備金:150万円 (税別) |
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保証金 | 加盟保証金:150万円 (税不明) 出店保証金:150万円 (税不明) |
店舗数 | 1,066店舗 |
加盟金 | 330万円(税込) |
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保証金 | 100万円~ |
店舗数 | 181店舗 |
【選定基準】(下記はすべて2022年12月6日時点に調査。)
2022年12月6日時点、Google検索「コーヒー フランチャイズ」でヒットした全17ページのうち、コーヒーをメインに販売するフランチャイズをすべて調査。
フランチャイズ加盟を募集している全18ブランドを店舗数上位10ブランド(2022年12月6日時点)に絞り込み、「物件・立地サポート」「開業前サポート」「開業後サポート」があるフランチャイズ6ブランドをピックアップ。その6ブランドを運営するフランチャイザー3社を以下の条件で選定。
・C-United…調査したカフェ6ブランドのうち、最も加盟金と保証金の金額が安い「珈琲館」を運営するフランチャイザー
・ドトールコーヒー…調査したカフェ6ブランドのうち、最も店舗数の多い「ドトール」を運営するフランチャイザー
・プロントコーポレーション…調査したカフェ6ブランドのうち、唯一カフェとショットバーの2面性収益モデルをもつ「プロント」を運営するフランチャイザー