フランチャイズに加盟して事業をスタートすると、年末調整で会社が対応してくれていた税務手続きを、オーナー自身で行うことになります。個人事業主として、毎年の確定申告を自らの責任で処理する必要があるためです。
本記事では確定申告の種類、ロイヤリティや加盟金といった経費の考え方、申告に向けた準備を解説します。
申告方法には「白色申告」と「青色申告」の2種類があり、控除額や手続きの複雑さが異なります。
事前の申請なしに誰でも利用できる簡便な申告方法です。ただし青色申告特別控除のような仕組みがなく、節税対策としての効果は限られるため、利益を伸ばしたいオーナーにはメリットが少ない選択といえます。
事前に税務署へ手続きを行っている人だけが選べる申告方法で、最大65万円まで所得金額から控除されます。節税効果が高く、基本的には青色申告を選ぶことが望ましいでしょう。
ただし55万円の控除には複式簿記による記帳と貸借対照表などの添付が必要で、65万円とするにはさらに電子帳簿保存かe-Taxでの期限内提出が求められます。
日々の帳簿管理も欠かせず、いつ、誰に、どのような事業目的で支払ったお金かを説明できる状態にしておく必要があります。
参照元:国税庁「No.2072 青色申告特別控除」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm)
経費の範囲を正しく把握することが節税の前提です。なかでも扱いを間違えやすいのが、ロイヤリティと加盟金です。
本部のブランドやノウハウを利用する対価として毎月支払うロイヤリティは、事業経費として計上できます。正しく計上して適切な節税を行うことで、ロイヤリティ支払いの負担をある程度緩和できるでしょう。
ただし、節税を目的に高いロイヤリティのプランを選ぶのは本末転倒です。処理方法は契約内容によって異なる場合があるため、契約書や専門家への確認が前提となります。
開業時に本部へ支払う加盟金は、支払った年に全額を経費にできるわけではありません。将来返還されない一時金であるため「繰延資産」として計上され、原則として5年の償却期間が設定されます。
初年度に大きな経費を計上できると考えていると、想定した税額と差が出るおそれがあります。契約内容によって取り扱いが変わる場合もあり、詳細は契約書や公式情報、専門家への確認が必要です。
適切な申告には開業当初からの準備が欠かせません。自分で申告する場合と税理士に依頼する場合に分けて解説します。
青色申告を選ぶ場合は、事前に最寄りの税務署へ青色申告承認申請書の提出が必要です。申請には期限があるため、開業のタイミングに合わせて早めに手続きを済ませておきましょう。
会計ソフトを活用し、領収書や電子データを整理して記録するフローを整えておくと、申告時期の負担を抑えられます。
経理作業を税理士に依頼する場合は、どこまでの範囲を任せるかで報酬額が変わります。
全て委託すれば手間は減りますがコストは高くなり、記帳を自分で行い申告部分のみを依頼すれば費用は抑えられます。費用対効果を踏まえて委託範囲を決めましょう。
フランチャイズオーナーは、毎年の確定申告を自らの責任で適切に処理する必要があります。白色申告と青色申告の違いを理解し、要件を満たして青色申告を活用すれば、税負担を抑えて利益率を高めることにつながります。
ロイヤリティは経費、加盟金は繰延資産として償却するという違いも押さえておきましょう。誤った理解のまま処理すると申告漏れなどのリスクが高まるため、判断に迷う点は税務署や専門家に確認することが大切です。

| 加盟金 | 150万~300万(税別) ※ブランドにより異なる |
|---|---|
| 保証金 | 150万~300万(税別) ※ブランドにより異なる |
| 店舗数 | 560店舗 (※ブランド合算数) |

| 加盟金 | 400万円 (税不明) |
|---|---|
| 保証金 | 200万円 |
| 店舗数 | 824店舗 |

| 加盟金 | 公式HPに記載なし ※必要な開業資金5,000万円~(物件取得費別途)の記載あり |
|---|---|
| 保証金 | 公式HPに記載なし |
| 店舗数 | 279店舗 |
※上記は2025年11月調査時点の情報です。
【選定基準】
2025年11月時点、Google検索「コーヒー フランチャイズ」でヒットした全17ページのうち、コーヒーをメインに販売するフランチャイズをすべて調査。
フランチャイズ加盟を募集している全18ブランドを店舗数上位10ブランド(2025年11月時点)に絞り込み、「物件・立地サポート」「開業前サポート」「開業後サポート」があるフランチャイズ6ブランドをピックアップ。その6ブランドを運営するフランチャイザー3社を以下の条件で選定。
・C-United…調査したカフェ6ブランドのうち、最も加盟金と保証金の金額が安い「珈琲館」を運営するフランチャイザー
・タリーズコーヒージャパン…調査したカフェ6ブランドのうち、2か月に1回SVによる指導があり、最も店舗数の多い「タリーズ」を運営するフランチャイザー
・プロントコーポレーション…調査したカフェ6ブランドのうち、唯一カフェとショットバーの2面性収益モデルをもつ「プロント」を運営するフランチャイザー
※1 参照元:タリーズコーヒージャパン公式HP(https://shop.tullys.co.jp/all)